帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹は水ぼうそうのウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)の活動が原因です。

 

子供のころに水ぼうそうに感染し,治癒した後も「水痘・帯状疱疹ウイルス」は神経の付け根にある「神経節」という部分に冬眠した状態で(潜伏感染)居続けます。この状態だとウイルスはなんにも悪さをしないのですが・・・

 

過労やストレス,消耗性の疾患などで体の免疫の力が落ちたときに冬眠していたウイルスが目を覚まして活動を始めます。ウイルスは潜んでいた神経に沿って炎症を起こしながらどんどん増殖を始めます。炎症はしだいに強くなり,最終的に皮膚に到達して発疹(水ぶくれや発赤)を形成します。

 

発疹は,ウイルスが潜んでいた一本の神経の支配領域に現れるので,たとえば,体幹に出た場合は左右いずれかの背中から胸まで「帯状」に発疹が現れます。

 

帯状疱疹は年間人口千人あたり4〜5人が罹患し,生涯罹患率は6, 7 人にひとりだと言われていますのでけっしてまれな疾患ではありません。

 

このように帯状疱疹では神経に沿ってウイルスが増殖します。炎症により神経は傷めつけられ,ウイルスの活動が治まって皮疹が治癒した後も,神経のダメージだけが強く残る場合があります。

 

ダメージを受けた神経は正常な働きを失いさまざまな症状を引き起こします。

 

このようなケースでは典型的な神経障害性疼痛を来します。皮疹が出た部分に電気が走るような発作痛が起きたり,ヒリヒリする痛みが持続したり,皮膚表面を軽く触れるだけで痛みが起こったり,貼り付いたような,締め付けられるような違和感が続いたり,個々の患者さんによって痛み方は異なりますが多彩な痛みを起こしうるのがこの帯状疱疹後神経痛です。

 

つまり,皮疹は完治して皮膚には何も起こっていないのに,痛みを感じてしまうのです。

 

こうした痛みに,普通の「痛み止め」すなわち,非ステロイド性消炎鎮痛薬はほとんど効果がありません。

 

抗うつ薬,抗けいれん薬,麻薬系鎮痛薬などが使われてきました。患者さんにより個々の薬剤の有効性は異なるため痛みの変化を見ながら薬の種類や用量を調節していく必要があります。

 

近年、神経障害性疼痛治療薬プレガバリンが出現し、帯状疱疹後神経痛の治療に有力な選択肢が加わりました。漢方薬の中にも発作性電撃痛に有効な製剤があります。

さらにペインクリニックでは神経ブロック療法を組み合わせることで神経の過敏性を抑え、回復を促し痛みを軽減します。