ぎっくり腰:急性腰痛症

ぎっくり腰(急性腰痛)いろいろ

 

とつぜん腰が痛くなり動くのが困難になる状態を俗に「ぎっくり腰」といいますね。

「これってぎっくり腰ですか?」と患者さんに聞かれますが医学的な診断名としては「急性腰痛症」でしょう。

 

急性腰痛症の原因は一つではなく次のようなものがあります:

椎間関節症

仙腸関節症

筋・筋膜性腰痛症

椎間板症

椎間板ヘルニア

原因不明

 

治療としては、消炎鎮痛薬の内服・外用(湿布)処方と安静の指示といった非特異的な治療がなされることが一般的でしょう。安静よりも活動性を維持した方が有用であるという意見もあります(腰痛診療ガイドライン2019)が、強い「ぎっくり腰」の急性期に日常の活動を求められてもどだい無理。「活動性の維持」はある程度痛みが軽減して体動困難から脱した後の話。

 

初期の痛みが強い時期、ちょっと動いても激痛が走るような状態では内服薬・外用薬はほとんど無力です。

 

ペインクリニックでは急性腰痛の原因部位を直接治療すること(特異的治療)が可能で、一般的な治療よりも短期間で活動を再開することが期待できます。神経ブロックで選択的治療が可能な部位を図に示しました。

腰椎イラスト

痛みの発生源に対し、個別に直接薬液を注入するのが神経ブロック療法です。

 

画像診断では原因が特定できない「非特異的腰痛」も身体所見:痛みを誘発する動作や姿勢・痛みの性状・圧痛点・神経学的診察から総合的に痛みの発生源を推定することが出来ます。

推定される発生源を神経ブロックで直接治療します。治療後、痛みが軽減・消失すれば逆にその部位が原因であったと診断できます(診断的治療)。

​このように神経ブロックは強力な治療手段であると同時に機能的な診断ツールでもあります。