帯状疱疹後神経痛

神経障害性疼痛

長引く痛みの正体は?

〜神経障害性疼痛について〜

 

くびや肩,腰が年中痛くてスッキリしない。

こんな慢性の痛み「慢性疼痛」に悩んでいる人が多い。

 

厚生労働省の調査では全国で1700万人

 

慢性疼痛の患者さんの中には「神経障害性疼痛」というタイプの痛みを持つ人も多く,痛みが長引く原因のひとつになっていることが分かってきました。

「侵害受容性疼痛」とは?

 

痛みをその成り立ちから考えると,大きく二つに分類できます。

 

ひとつは「侵害受容性疼痛」,もうひとつが「神経障害性疼痛」です。

 

「痛み」と聞いてふつうにイメージする痛みが「侵害受容性疼痛」です。

 

たとえば,向こうずねをぶつけたときの痛み,すり傷や切り傷の痛み,骨折の痛みなどです。

 

これらの痛みは,体が傷ついたこと,あるいはそのままにしておくと傷ついてしまうよ!ということを知らせる警告信号の役割があります。

 

これは,体のある部分に加わった刺激を神経の末端にあるセンサー(侵害受容器)が感知して信号を発し,神経を通じて脳までその信号を伝えます。脳ではこの信号を認識して痛みを感じるわけです。

これが侵害受容性疼痛です。

 

体が傷ついてしまったから無理をしないように!,あるいはこのまま我慢していると体が傷つくからこの状況を逃れるようにしなさい!という警告の信号です。

これに対して「神経障害性疼痛」とは?

 

こうした信号を伝える神経が,何らかの原因で損傷を受けた結果,異常な働きをするようになり,勝手に痛みの信号を発生させたり,痛み以外の信号を痛みの信号に変えてしまったりする状態です。

脳が神経から痛みの信号を受けるということはその人にとってはほんとうに痛みがあるわけです。そのために,実際には体が傷つくような刺激がないのに痛みを感じてしまうという現象が起こります。

「火災報知器のアナロジー」

 

「神経障害性疼痛」は壊れた火災報知器のように,神経が誤作動を起こすことで生み出された「ニセモノの痛み」なんですね。でも,患者さんは実際に痛みを感じるわけで,むしろ普通の痛みよりイヤな感じを伴うことも多く,とっても辛い症状なんです。

このような痛みには警告信号としての意味はなく,いわば,無駄な痛みなのです。

 

ですから,なんとか痛みを止めたいところですが,普通の痛みより診断や治療が困難で,痛みが長引く傾向が強いのが「神経障害性疼痛」の困ったところです。


 

神経障害性疼痛はどんな病気で起こりますか?

 

帯状疱疹後神経痛(後述)、糖尿病性神経障害、頚椎症性神経根症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などで多岐にわたる疾患が神経障害を起こし、神経障害性疼痛の原因になります。

 

どのような治療が?

 

ペインクリニックで行う神経ブロックは、障害を起こした神経に直接薬液を作用させたり、血流を改善したりすることで神経障害性疼痛の有力な治療手段です。

 

さらに「神経障害性疼痛」に効果のある内服薬(プレガバリン、デュロキセチンなど)が臨床に導入され治療面で大きく前進しました。

 

そのほか、痛みの性質によっては他の抗うつ薬や抗けいれん薬、漢方薬なども補助的に用いられています。